研究業績

現在準備中です。
主な研究テーマ

FIB/SEM Tomographyによる三次元全構造解析(Cell & Tissue Structome)

細胞や組織の基本構造を理解するには数µm-数100µm角の領域観察が重要です.しかし,これまで,この領域を電子顕微鏡レベルの分解能で正確に把握することは困難でした.我々 の研究室では,FIB/SEM(Focused ion beam/Scanning electron microscope)と呼ばれる新しいタイプの顕微鏡を用いて,この領域の正確な三次元構造解析による機能解析を行っています.本手法は2008年に初めて報告された方法ですが,我々の研究室では2011年4月より,国内で先駆けてこの手法に取り組んでいます.

  • ・観察法の改善
  • ・オルガネラと病態の関係
  • ・組織内の細胞性ネットワークの相互関係
Quanta
など現在,この機器を用いた研究テーマが20数件同時進行しています.

FIB/SEM トモグラフィーについてはこちらに少し詳しく説明しております。

間葉系組織の細胞性ネットワーク

我々の身体を作る組織は,多くの細胞がそれぞれ関連性を持って存在し機能を果たしています.上皮や神経・筋組織がそれぞれ細胞性ネットワークを作りギャップ結合などで連結されていることはよく知られています.一方,結合組織など間葉系の組織における細胞性ネットワークについては未だその全貌は分かりません.しかし,腸管におけるc-kit陽性のICCや,PDGFR陽性細胞など,複数の細胞が複雑なネットワークを作っていることが分かっています.我々は,このような細胞ネットワークが,生理機能,障害後の治癒過程など様々な場面で重要な役割をしていると考えています.現在は免疫組織化学やFIB/SEMトモグラフィーなどの手法,また生理学研究者と組むことでその役割を解析しています.

微小環境制御による皮下新生骨形成

臨床領域では欠損した骨補填時にチタンメッシュのおおいを作って,骨の形成を行います.この効果については,形を整えることと補填剤などの流出を防ぐことで骨形成を促進すると解釈されていました.我々は,皮下異所性骨モデルにおいて,骨が極めて出来にくい条件下でも,チタンメッシュなどのケージに補填剤を埋入することで,骨形成が促されることを見いだしました.つまり,ケージで囲むこと自体に骨形成促進作用があることを示しています.骨形成には,因子や細胞はもちろん,マクロ・ミクロな環境要素が重要であることを示唆しています.さらに全身の細胞がGFPを発現するグリーンラットを用いて,細胞系譜を解析したところ,新生骨には移植した細胞だけではなく,周囲に存在する細胞も骨芽細胞へとリクルートされることが分かりました.このようなモデルでさらに骨形成の詳細なしくみが明らかになると考えて居ます.また,このようなケージ効果を利用した骨新生応用を検討しています.

自家蛍光ガン可視化実体顕微鏡の開発とRAFS法による腫瘍描出評価

腫瘍組織は周囲の組織に比べ自家蛍光が少ない.これを利用し,無染色無処理で,実体顕微鏡下に腫瘍組織の描出を行うシステムを開発しています.このようなシステムは術場において術者が直接腫瘍の浸達度合いを可視化できるため,切除域の適正性の判定,切除物からの迅速病理診断評価部位の客観的選定など,術場において執刀医をサポートするポテンシャルがあると考えて居ます.興味のあるメーカー,臨床医の方はご連絡下さい.